前回の調査で、対象者である夫が不審な女と合流し、全く楽しくなさそうに別々にラブホテルに入ったことを確認している。普通、不倫カップルは、楽しそうにしていることが多いし、長年の不倫でマンネリ化ということもあるが、今回の二人の関係はまた違った雰囲気であった。
依頼者との打ち合わせ
前回の調査結果を踏まえて、依頼者である奥様と打合せを実施した。
まず、相手の女(以下、前回同様に「不審女」と表現します。)が何者なのか。
コンビニ店内で、不審女が「これ、要らないの?」と優しく声をかけている様子等から、夫と不審女は今回初めて会ったという関係ではなさそうだ。
奥様としては、不審女の職業等の素性を詳しく調べたいということであった。そのお気持ちは当然のことであるが、一応検討しなければならないのが、不審女がデリヘル嬢かもしれないということである。
世の中には、女性を奴隷のように扱いたいという性癖の者も一定数いる。もし、夫にそういった性癖があるのならば、わざと路上で立ち尽くさせて、冷たい態度を貫いたままコンビニで買い物をさせ、でもその代金はデリヘル料金に含まれていることもあるのかもしれない。また、車に乗せなかったのも、その性癖を満たす為の要素の一つであったのかもしれないし、それとは別に車内に女性の髪の毛等の証拠を残さない為と考えることもできる。
しかしデリヘルなのであれば、不審女がラブホテルを出た後に近所の事務所や待機場所へ行くか、迎えの車に乗るかが普通である。それが、歩いて西武新宿駅へ直行、そして自宅へ直帰である。
やはり、デリヘルの可能性はないであろう。
他にも色々と可能性は考えられるのだが、どれも確証があるわけでない。
とりあえず、夫がラブホテルへ行ってそのまま帰宅し、玄関からシャワーへ直行したことは事実である。そして、月に2回程度はシャワーへ直行しているということは、そのペースでラブホテルへ行っていると考えるのが自然である。
そうすると、また1~2週間以内に同じような動きをするであろうから、改めて夫の行動を確認し、同じ女が現れるのか、別の女が現れるのか、それらを調査しようということになった。
それまで、不審女の素行調査は延期することになった。無駄な調査費用をかけない為、効率性を重視すると、不審女についてはもう少し全体像がみえてからの調査の方が良いであろうという判断である。
対象者の自宅を張込み
3回目の調査である。先週に引き続いてなので空振る可能性も高い。が、奥様としては気になって仕方ないということもあり、今週も調査をして欲しいとのことである。
これまで同様の方法で張込みを開始した。
すると、午後3時20分過ぎに、奥様から「間もなく、夫が出そうです。」とLINEが来た。そして、午後3時30分前には夫の車がマンションの地下駐車場から出てきた。
我々も前回同様に車両尾行の開始である。
が、しかし、この日は江東区東雲のカーショップへ買い物に出かけただけで、店内で誰かと会うこともなく、1時間程で帰宅した。
後に妻から聴いたところによれば、夫はシャワーへ直行することはなく、普通に夕食後に風呂に入ったとのこと。
やはり、不貞行為があった日にはシャワーへ直行しているようであるが、今のところまだ何ともいえない。
※本コラムにおいて当事務所の取扱い事例を紹介している場合は、事実を脚色することなく記載していますが、当事者の特定等を避ける為、調査事実を歪曲しない範囲で設定(関係者の職業や道路、建物の位置関係等)を変更しています。また、掲載にあたり、必要に応じて依頼者の承諾を得ています。