浮気調査コラム

別居夫浮気調査③(全6回)

本件3回目の調査である。前日の調査状況からして、6時から張込む必要はなさそうである。依頼者とも相談のうえ、今日は7時からの張込みとした。前夜も8時過ぎに引き揚げられたので、何とか6時間近く寝ることができた。が、今日も今までと同じ理由で私一人での調査である。ワンオペは本当に辛い。

前回のコラム別居夫浮気調査②の続き
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夫が出勤

午前7時40分、昨日と全く同じ時刻、同じ格好で、同じ自転車に乗って夫が出てきた。私の尾行方法も昨日と全く同じである。そして予想どおり昨日と同じように会社に出勤したので、私も同じように張込み体制へ移行した。

今日も1日、私独りで張込みになるのか。これが続くのなら、調査費用を抑える為にも日中の調査の中断を検討した方が良いかもしれない。

昼時に一旦帰宅

そんなことを考えながら、この状況を依頼者に報告する為スマートフォンで文字を打っていた午前11時10分、夫が軽トラックに乗って会社から出てきた。助手席には誰も乗っていない。浮気というより仕事の移動であろうと思いながらも、せっかく対象者が出てきたのだから私も当然車両尾行を開始する。次々と脇道に入り、到着したのは朝出てきたマンションの目の前である。

女と接触

昼飯に帰宅でもしたのかと思いながら動画撮影を開始したところ、丁度マンションから出てきた若い女が、軽トラを降りた夫に駆け寄るではないか。そして二人は、そのままマンション1階の寿司屋に入って行った。軽トラは寿司屋の目の前に路上駐車したままである。寿司屋の扉は透きガラスであり中の様子は見えない。
ランチ客を装い店内に入るのも手だが、今日も調査員は私一人である。対象者である夫がこのマンションから出てきた若い女と一緒に寿司屋に入ったことは間違いない。焦らず外で張り込もう。それより、夫と女が一緒にいるところや、女の顔がはっきり分かる証拠を撮影する方が大事である。

40分程経った時、二人が寿司屋から出てきた。夫は停めていた軽トラに一人で乗り、若い女に見送られながら走り出す。そして女は脇の入口からマンション内へ入って行った。
この様子を動画に撮影しながら、浮気相手と思われるこの女の顔を画質の良い静止画でバッチリ撮影出来た。

マンションの張込み

女と一緒に暮らしているのか。もしかしたら、元々この女が住んでいたこのマンションに夫が転がり込んだのかもしれない。
この状況は夫の尾行をする場合ではない。直ぐに依頼者に連絡をしたが、あいにく不通である。しかし依頼者には状況判断を一任されているので、このマンションを張り込み女が出てくるのを待とう。

女は夕食の買い物か

午後4時前、女が一人でマンションから出てきた。鞄も持たず、手にブランド品ぽい長財布を持っているだけである。私は真正面からその様子を写真に収め、急いで調査用車両を直近のコインパーキングに停め、徒歩での尾行体制へ移行する。1名での調査は、こういう時に何らか失敗することが多いのだが、今回の現場は私と相性が良いようで今のところ順調である。探偵や私服警備、又は警察官のような職務に就いている人なら誰でも分かると思うが、現場や対象者との相性は結構大事なのである。
女は、近所の小さいスーパーマーケットに入った。迷うことなく豚肉、長ネギ、豆腐だけを次々と手に取り、他の陳列棚にはほぼ見向きもせずにそれらを会計すると、直ぐにマンションへ帰った。

依頼者への報告

再び張り込みをしていると、依頼者である妻から折返しの電話がきた。これまでの状況を報告すると、やっぱりかという様子で
「こうなったら徹底的に調べてください。調査費用も相手の女から取ってやりますから、必要ならば調査員さんを2名とか3名にしてもらっても構いませんので。」
とのことである。

調査費用を抑えた調査体制

依頼者は調査員の増員を承諾しているが、これまで3日間、私一人で調査をやってきて特に大きな失敗もなかったし、大体どんな事案でも、最初の3日位を過ぎると対象者の動きがよめてくるものである。そして今日は水曜日である。少なくとも明日木曜日はそう大きな違いもないであろうし、無駄な調査費用は抑えるに越したことはない。むしろ同じだけの予算があるのならば、浮気調査として動きがありそうな週末にこそ調査員を増員すべきであり、効率的である。
そのことを提案すると、依頼者である妻もその低予算なアドバイスを喜んでくださった。

そのままマンション前を張込んでいると、午後6時15分、夫がいつものように自転車で帰宅した。さっき女が料理の具材を買っていたし、恐らくこの後外出することはなさそうである。改めて依頼者へ報告をして、この日の調査を終えた。

次回、別居夫浮気調査④へ続く
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※本コラムにおいて当事務所の取扱い事例を紹介している場合は、事実を脚色することなく記載していますが、当事者の特定等を避ける為、調査事実を歪曲しない範囲で設定(関係者の職業や道路、建物の位置関係等)を変更しています。また、掲載にあたり、必要に応じて依頼者の承諾を得ています。