浮気調査コラム

浮気調査で探偵が請求する費用の真実と、依頼者が確認すべきこと

これから浮気調査を探偵に相談、依頼しようとしている方は、探偵の料金相場も知らなければ、何に注意すれば良いのかも分からず、悪徳探偵に騙されるのではないかというご不安を抱えていらっしゃるのではないでしょうか。
このコラムでは、
・ 浮気調査にかかる費用の根拠
・ 悪質探偵業者のボッタクリ手口
・ 依頼時に確認すべきことや注意すべきこと
等について解説していこうと思います。

浮気調査の費用相場

まず、皆さんがお知りになりたいであろう浮気調査の費用の相場ですが、ざっくり言えば、1日で10万円~20万円位です。これは、あくまでザックリの相場です。調査員の人数と時間数で大幅に変わります(当事務所の過去最安は経費込みの総額3万円台でしっかり浮気の証拠撮影に至ったこともありましたし、同業他社さんで1日で50万円超という例も聴いたことがあります。)。
これを踏まえて、悪質探偵業者に騙されずに依頼する方法を考えるべく、浮気調査の費用について順を追って説明いたします。

時間制、成功報酬制

大半の探偵業者の場合、浮気調査の費用の基本体系は、
・時間料金制(例:調査員1名1時間○○○○円)
・成功報酬制(例:浮気(不貞行為)の証拠を取れたら○○○○円)
のいずれかであることが多いです。(一部の探偵業者では、これらの料金体系からの選択制であったり、組合せの場合もあります。)
これらに、車両費や諸経費等が含まれるか否か等、探偵業者によって費用体系は多岐にわたります。

探偵業者も利益を追求している以上、成功報酬制についても、時間料金制を基準に考えています。
そこで、まずは時間料金制とこれに付随する費用や諸経費について解説をしたうえ、それらを踏まえて成功報酬制について解説していきます。

ちなみに、どこの探偵業者であっても利益追求をしていますので、極端に安い業者は悪質業者の可能性もあるので注意しましょう。
もし、「1時間3,000円」等のあまりに安い探偵業者に依頼しようか悩んでいらっしゃる場合には、この記事の他に「東京の浮気調査で安い探偵業者の実態を考える」もご覧になってよくご検討ください。

時間料金制の浮気調査費用

時間料金制の場合、「1時間○○○○円」というケースがほとんどですが、その額は私が知る限り2,000円~30,000円までと、もはや相場なんて無いのでは?と思ってしまうほどです。
では、次のような事例で、1時間3,000円の探偵業者と契約した場合、その探偵業者は、やっていけるでしょうか。
事例: 浮気の疑いのある夫の退社時刻は毎日18時。残業や早退はない職種なので、18時から張込みをしてもらい、帰宅経路とは別方向へ行ったら浮気調査を続行。しかし、帰宅経路に入ったら調査打切りで良い。
⇒実際に調査をしてみたところ、退社後すぐに帰宅経路に入った為、18:30に調査打切りとなった。
調査時間は30分であったので、3,000円×0.5時間で調査費用は総額で1,500円。
なんてこと、まずあり得ません。探偵業者からしたら、契約の手間や前後の移動時間だけを考えても完全に赤字です。上記は極端な例ですが、慈善事業ではないのです。
このように極端に単価の安い契約の場合、必ずといって良いほど、別名目の料金が加算されたり、条件がついたりします。それ自体は悪いことではありませんが、安さだけが目に入り実際に探偵業者と会ってみると後からこれらの条件を聞かされガッカリすることが非常に多いです。契約前ならまだマシですが、浮気調査が終わってから思いもよらない高額な費用を請求されることもあります。
では、時間料金の他にどんな条件が付いたり費用がかかることが多いのか、具体例を解説していきます。

調査員の人数

単に「1時間○○○○円」等という表記をしているのみで、調査員が何名で動いてくれるのかハッキリしていない探偵業者もあります。
「1時間30,000円」等と一見高額にみえても、調査員3名体制で動いてくれるのであれば、決して超高額とまでは言い切れません。
一方で、「調査員1名1時間6,000円」等と一見安そうにみえても、実際には調査員3名体制でしか引き受けてくれない探偵業者も多々あります。この場合、消費税10%を含めると1時間19,800円ということになり、費用相場から見れば高額とはいえませんが、最初の印象と随分変わってしまったこと自体にガッカリしますよね。

また、悪質探偵業者の最たる手口として、人数の水増しが多いことにも注意です。
調査員1名1時間6,000円の3名体制で契約したのに、実際には2名しか稼働していないとか、場合によっては1名しか動いていないなんてケースもよく耳にします。
(もっといえば、費用だけもらっておきながら、誰も動いていないケースもあります。)
残念ながら、ベールに包まれている部分の多い業界であることに加え、普通の依頼者は探偵と契約するなんて一生に一度あるかないかのことで不慣れである為、ボッタくりの誘惑に負けてしまう探偵業者が多いのです。しかもタチの悪いことに、まるで罪悪感がない担当者が多いので、依頼者からすると全く見抜けなかったりします。

調査時間の制約等

「1時間○○○○円」等の表記があっても、実は色々な条件や制約がついていることも多いです。ここでは、よくある調査時間の制約等について解説していきます。

1回当たりの最低時間

全てではありませんが多くの探偵業者が、1回当たりの最低調査時間を定めています。
冒頭の事例のような場合、探偵業者側が明らかな赤字になってしまう為です。
最低調査時間も、3時間程度から8時間位に定めている業者とマチマチです。
いくら1名1時間6,000円の探偵業者であったとしても最低時間が8時間であれば、48,000円の費用が確定してしまいます。実際に浮気調査を実施してみたところ、例えば開始後2時間で空振りが確定した場合、そこで打切っても48,000円なのであれば、実質1時間24,000円とういことになり、かなり割高になってしまいますね。

なお、調査員1名1時間25,000円のような探偵業者(←高額ではありますが、悪質とういわけではありません。)の場合は、最低時間の規定がないこともあります。

※ ちなみに当事務所では1回当たりの最低調査時間を原則4~5時間としていますが、その時間に満たなかった場合には、その時間相当分の半額を返金しており、早く終わった場合にも依頼者にメリットのある料金体系をとっています(厳密には、下記キャンセル料の扱いとしています。)。

通算時間による単価の変動制

ある一定時間を超えると、時間単価が安くなる料金体系の場合があります。例えば、通算20時間までは1名1時間6,000円、通算20時間を超えた場合には1名1時間3,000円等というケースです。
当事務所では採用していませんが、これはこれで理にかなった料金体系であるともいえます。浮気調査をはじめとした対象者を監視する業務では、初めが一番大変です。しかし、同じ人間を何日か追っていると、その者の癖が分かってきて行動も予測しやすくなります。そうすると人員配置や機材も厳選することが出来るので、探偵業者側の負担も減ってくるのです。
ただし、ホームページには安い方の料金だけを表示している探偵業者も存在し、実は通算100時間まではその倍額であることを契約時に初めて知らされるケースや、対象者の行動が予測できて楽を出来るからということで調査員を減らし、結果的に費用の請求時には調査員の人数を水増しするような悪質業者がいることも事実です。

調査時間の単位

時間料金の計算を1時間単位で繰上げにしている探偵業者がかなり多いです。
例えば、10:00~13:15までの3時間15分の浮気調査をした場合、1時間未満繰上げで4時間分の費用がかかってしまうということです。優しい業者であれば、切捨ててくれるケースもあるかもしれませんが、大概は1時間単位できっちり費用がかかってしまうようです。
中には、30分単位、5分単位で計算する探偵業者もありますが、何分単位であろうが、そもそも繰上げに関する説明もなければ契約書に「○分単位で繰上げ」の表記もないことが大半なので、依頼者としては、費用の請求を受けた時にモヤモヤしてしまいます。

※ ちなみに当事務所ではキッチリ1分単位での請求としています(もっとも、ある程度の時間以上であれば、むしろ切の良い時間に切捨てる(要するに値引きする)ことの方が多いです。)。

基本料等

1名1時間3,000~5,000円程度の一見安い探偵業者によくみられがちですが、時間料金の他に、1回当たり数万円の基本料金が発生する場合があります。
こちらも、ある意味理にかなっています。1時間の調査であろうが10時間の調査であろうが、準備や移動にかける時間は大差ないので、その分を基本料金として請求することで、長時間の調査になった場合にはむしろ依頼者の負担が減ります。
こちらも、ホームページ等で予め基本料金も表示しているなら良心的でしょう。

車両関係の費用

仮に対象者が車を使うことは絶対にないという場合でも、よほどのことがない限り探偵業者は調査用車両を使用しています。張込みに使うこともあれば、調査員の一部が先回りする必要が生じたりもするからです。
この調査用車両について、「車両費」等の名目で費用が発生することがあります。調査員1名1時間1~2万円以上の探偵業者では、車両費はかからない場合もありますが、多くの探偵業者では請求しているのが実情でしょう。
業者によっては、調査用の自転車にも課金しているところがあるようです。
ちなみに、調査員3名体制で1時間7~8万円という中々高額な時間料金を設定している代わりに、車両関係の費用は一切とらず、自動車の他にバイクも用意している探偵業者も実際にあります。対象者が車両で動く場合には、探偵も車両尾行をすることになりますが、特に都心部ではバイクが有るのと無いのとでは尾行の成功率も変わってきますので、特に運転が荒い対象者を尾行するような浮気調査の場合には、そのような探偵業者に依頼するのも悪くありません。

車両費の額は、1台につき5,000円~20,000円程度と幅があり、1回につきなのか、1日につきなのか等様々です。
また、調査途中で対象者に気付かれる恐れが出た場合等、現地で急遽レンタカー等を借りて車両の追加をする場合もあります。この場合、追加で更に1台分の車両費を請求される場合もあります。
この他、車両にかかる経費としてガソリン代を別途実費請求されることもあります。

※ 当事務所の場合、調査員の時間単価を抑える為に車両使用料を設定していますが、ガソリン代は含めています。また、追加で(予定外に)レンタカー(実際には割安なカーシェアリングが大半です。)を借りた場合には、その実費のみを請求しています。

移動や宿泊にかかる費用

通常、時間料金が発生するのは、実際に張込みや尾行といった調査をしている時間に対してのみです。
では、調査開始場所や終了場所が遠方であり、浮気調査を引受けた探偵事務所までの距離が遠い場合にはどうなるでしょうか。調査開始場所まで1~2時間以上かかるとなれば、別途「出張費」や「宿泊費」等の名目で費用がかかる場合があります。この場合、まともな探偵業者であれば、探偵業法の規定により予めその出張費等について具体的な金額や計算方法を示しているはずです。
問題は予想外に遠方で調査を終えた場合です。対象者である夫が遠方まで行ってしまい、浮気の可能性はないので調査を打切ることにした場合、その場所からの帰路について費用が発生するのか否かです。
大半の探偵業者の場合、予定にない長距離移動や宿泊に関しての料金設定はしていません(探偵業法に則った説明や書面の交付をしていないケースがほとんどです。)。
しかし、いざ遠方まで行って調査を打切った場合、帰りの調査員の移動時間や交通費、時間帯によっては宿泊にかかる手数料(下記「実費」に該当するものを含みます。)についても請求されることがあります。
実際に調査員が時間を費やし実費もかかるのは事実ですが、依頼者からすれば予想外の費用を請求されるのは後出しジャンケンのようで腑に落ちないこともあるでしょう。

※ 当事務所では、原則として往復の通算移動時間が2時間を超えた場合、その超過時間帯のみ、時間当たり2,000~3,000円程度の料金が発生する契約としています。

経費(実費)

「経費」「諸経費」「実費」等という名目での費用は多くの探偵業者が採用しています。
一言に「経費」等といっても、前述の調査用車両にかかる料金を「諸経費」として請求されることもあれば、都内の移動に係る「諸経費」として「一律1日○○○○円」等という場合もあるようです。中には、電車賃や駐車場代等の少額の実費は「不要」としている探偵業者も実在しますが、その実態は後述することとし、まずは実費(実際にかかった経費)について考えていきましょう。

一般的に考えられる経費

浮気調査をするに当たって、調査開始から終了までの間にかかる経費として、
・ 張込み中の駐車場代
・ 尾行にかかった電車賃や高速代、場合によってはタクシー代
等は、依頼者の皆さんからしても想像がつく経費かと思います。

一般的ではないが実際にはよくある経費

一方で、よくよく考えてみれば発生するのも当たり前だし、ボッタくりでも何でもないが、一般の方からすると請求されて初めて気づく実費経費の例として、次のようなものがあります。
・ 徒歩尾行になった為、張込みに使用していた車両をそのまま放置して長時間利用(それなりに高額)になってしまった駐車場代
・ 調査終了後に、その放置していた車両を引揚げに行く際の交通費(終電後であればタクシーを使うこともあります。)
・ 対象者は電車移動であるが、調査員の一部は急いで先回りする必要が生じた際のタクシー代や高速代
・ 対象者と浮気相手のデートを尾行する為に調査員も入らざるを得なかった娯楽施設(遊園地、映画館、カラオケ等)の入場料や、場合によっては高級レストランの飲食費やホテルの宿泊費

これらは、浮気調査の成功の為にどうしても必要となってくる経費だということはお分かり頂けるのではないでしょうか。
また、浮気調査という業務の特性上、対象者が予想外の行動をすれば、予想外の経費がかかることは避けられず、ある程度の経費がかかることは覚悟するしかないでしょう。
大切なのは、このような予想外の経費が発生するということ自体は予測出来ているので、せめてその事を契約時に依頼者に説明しているかどうかです。

※ なお、当事務所の場合、調査途中であっても予想外に高額な経費がかかりそうになった場合には、直ちに依頼者に連絡をとり協議しています。
例えば、対象者を尾行していたところ、羽田空港に来て航空券を購入した場合等です。運よく対象者が自動発券機を使用した場合、目的地や便名を覗き見ることが出来ることもありますが、そのまま対象者を尾行するとなれば、普通運賃(当日購入の最も割高な運賃)で飛行機に乗ることになり、調査員2名だとしても往路だけで10万円近くかかってしまうでしょう。
このようなレアケースを契約時に予測することは出来ませんので、ある程度は現場判断にお任せいただくしかないのですが、随時依頼者と相談しながら進めてまいります。

確かに実費ではあるが納得し難い経費

探偵業者によっては、
・ 浮気調査開始場所や終了場所と調査員の自宅までの交通費(高速代等)
・ その日1日分のガソリン代(調査員の通勤分も含んでいるケースが大半)
・ 確かに張込みの為に入った店での飲食代金ではあるが、コーヒー代だけでなく単なる調査員の食事代
等をシレっと請求してくる場合があります。
東京の浮気調査を東京都内の探偵業者に依頼したのに、○○県在住の調査員の自宅最寄りの高速インターの領収書を呈示されたら、「どうして?」と思うのが普通ですよね。確かに実費ではあるのでしょうが、これを浮気調査にかかった実費というのでしょうか。
このような実費を請求された場合には、その探偵業者に指摘くらいした方が良いでしょう。

原則として経費不要のケース

一部の(特に時間単価が高い)探偵業者の場合、電車賃、高速代、ガソリン代、レンタカー代、駐車場代、張込み中の軽食費等は不要としていることもあります。
いくらかかるか分からない経費を時間料金に含めることで、依頼者に安心を与えようという意図に加え、探偵業者からすれば請求書作成の際の事務的な手間を省くことにもなります。
しかし、冒頭にもお話したとおり、探偵業者も利益追求をしている以上、損をするような費用体系にしている訳ないですよね。実費を不要としている分、時間単価を高めに設定していて当然です。
それ自体が悪い訳ではありませんが、契約するか否かはこの点も知ったうえでの方が良いでしょう。
それよりも、経費不要としている探偵業者を選ぶデメリットは次の点です。

(デメリット1)
実費の領収書やレシートは、実は間接的に浮気の証拠にもなったりするのです。
対象者が浮気相手とラブホテルに出入する瞬間の画像や動画があれば、大半の当事者は浮気を認めるでしょう。しかし、往生際の悪い対象者の場合、どんなにバレバレでも最後まで否認を続けることがあります。相手にタチの悪い弁護士がつけば、「被告は浮気を否認していますし、この画像が撮られた日時が特定されておらず、婚姻期間中であることの証明がされていません。」等と悪質な虚偽の主張をしてくることだって考えられます。
そんな場合、調査員がその浮気調査を実施していた際のレシートがあれば、調査の日時や場所をある程度証明することにもなり、報告書と併せてこちらの主張の信憑性が高まることもあります。
経費不要の探偵業者に依頼すると、調査時の領収書やレシートが入手できず、後々困ることがあります。

(デメリット2)
悪質な探偵業者の場合、契約時に取り決めた調査人員を削ったり、本当に酷い詐欺業者だとそもそも調査をしていないこともあります。
しかし、レシート類を添付したうえで経費の実費請求をする探偵業者であれば、ある程度これらのリスクを抑えられるでしょう。
ちなみに、例えば「タクシーで尾行をしたが、対象者を見失う恐れがあるので、領収書どころか釣銭を貰うことも出来なかった。」とういケースがあることは事実ですが、そのような場合であっても、依頼者のことを思っていれば、降車時に運賃メーターを撮影することくらい出来るはずです。

以上のように、実費経費の領収書やレシートを呈示してもらうことは、探偵業者がしっかりと浮気調査を実施したことの間接証明にもなるのです。実費経費は不要の探偵業者であったとしても、レシートを添付してくれれば良いのですが、さすがにそんな探偵業者はいないでしょう。

キャンセル料

浮気調査を予定していたが、その後、事前に夫の行動予定が判明し浮気の心配がなくなったのでキャンセルしたい場合、探偵業者によってキャンセル料が発生する場合があります。
キャンセル料も探偵業者によって、1週間前からかかることもあれば、24時間前までは無料だがそれ以降のキャンセルの場合は予定していた調査費用の100%というケースもあります。
探偵業者からすれば、その浮気調査の為に時間を空けて必要な準備をしているので、キャンセル料が発生するのは悪いことではありません。ただし、いくら直前のキャンセルだからといって、全く浮気調査を実施していないのに100%のキャンセル料がかかるのは、依頼者からすると少し納得がいかないかもしれません。
確かに、例えばホテルの宿泊費等は当日キャンセルの場合100%というケースが大半ですが、浮気調査に限らず探偵業の場合、対象者の行動が予測できず、予定どおりにいかないことが当たり前の世界なのですから、直前キャンセルも当たり前に起こり得るということを前提に、依頼者の負担を少しでも減らせる努力をして欲しいものです。

※ 当事務所では、調査予定時間より早く終わった場合同様、直前キャンセルの場合には予定していた費用の半額(時間料金以外の費用については原則全額)をお返ししています。

成功報酬制の浮気調査費用

では、成功報酬制の場合にはどうなるでしょうか。重ねてになりますが、探偵業者が損をする料金体系を設定するわけがありません。つまり、ここまで解説してきた時間料金制やその他の諸費用を含めた額以上になるように成功報酬の額を設定しているのが普通です。

成功報酬制を選択すべき理由

しかし、残念なことに悪質探偵業者が実在しているのが事実である以上、それを見極める術のない依頼者側にとっては、成功報酬制を選択するメリットがあるのも事実です。
その理由について、探偵業者の優良度を分けて考えてみます。

優良探偵業者の場合

まともな探偵業者であれば、成功報酬制だろうが何であろうが、浮気調査を引受けた以上、与えられた条件(時間や人員)の中で最善を尽くすのが当然です。
このような優良(というより、まともな)探偵業者に依頼をするのであれば、前述のとおり、探偵業者側も損をするような料金設定をすることはないので、成功報酬制より時間料金制を選択した方が安くなるでしょう。

もっとも、それは、ある程度確実に対象者の浮気の証拠を取れそうな事案の場合です。浮気をしているのか確証がもてない、又は次の浮気がいつになるか見当もつかないような場合、依頼する方からすれば当然成功報酬制を選択したいところですが、探偵業者からすれば赤字覚悟、場合によっては1円にもならない可能性が高くいので、引受けてもらえないか、途中で匙(サジ)を投げられてしまう可能性もあります。

詐欺ではないが、レベルやヤル気の低い調査員を抱えている探偵業者の場合

レベルの低い調査員の例: ヤル気はあるが、能力的にとにかく集中力が低く、対象者を見落としてしまう
ヤル気の無い調査員の例: 張込み対象の建物の出入口を監視するには外で立って張込むしかないのに、エアコンの効いた車内で楽をしたいが為に、対象者が通りそうな道路を予測してそこに駐車した調査用車両の中で張込んでいたところ、別経路を通られて対象者を見落としてしまう
このようなレベルやヤル気の低い調査員(探偵業者)については、別の機会に詳しく解説しますが、残念ながら結構多いです。
しかし、これから浮気調査を依頼しようとする方からすれば、まともな探偵業者か否かを見抜くのは中々難しいでしょう。そんな場合、完全成功報酬の探偵業者を選べば安心ということもあります。
ただし、「着手金」+「成功報酬」のように、結果が伴わなくても結局費用が発生するのであれば、その着手金の金額にもよりますが注意が必要であることは言うまでもないでしょう。

詐欺探偵業者の場合

初めからろくに現場にも行かない、又は現場に行ってもまるで張込みに集中せず、本当は見落としているだけなのに「今日は、ご主人動きませんでしたね。」等と適当な報告をする詐欺又は悪質探偵業者の場合、浮気の証拠を収集できるわけはないので、普通は成功報酬では契約してくれません。
ただし、「着手金」+「成功報酬」の体系にして、着手金を多く取るとうい手口も考えられますので、そのバランスを見ながら騙されないように注意しましょう。

上記のように探偵業者を3パターンに分けてみました。一番良いのは優良業者に時間料金制で依頼することでしょうが、素人が優良業者か否かを見抜くのは難しいということを前提にすれば、成功報酬制の探偵業者に依頼するのも悪くないというところでしょうか。
では、成功報酬で浮気調査を依頼する場合に気を付けるポイントを考えていきましょう。

成功報酬が発生する「成功」の定義の確認

「成功報酬で契約したのだから、結果が出ないのに費用が発生することはない」と安心してはいけません。探偵業者側は「成功」と言っているけれど、依頼者からすれば意味の無い情報かもしれません。契約時には最低限、次の点が「成功」となるのか否か等を確認しておきましょう。
・ 対象者が異性と会った(会話している)だけ
・ 対象者が異性と食事をした
・ 対象者が異性とラブホテル以外のホテル(シティホテルやビジネスホテル等)に一緒に入った(この場合、チェックインや同室に入ったことで「成功」とするのか)
・ 対象者が異性とラブホテル等に入った場合、「成功」と取扱われる場合の滞在時間
(この場合、そのラブホテル等から出てくるところも確認できることが前提となっているのか)
・ 対象者が異性と手を繋いだり、抱き合ったり、キスをした場合
・ 浮気相手の住所、氏名等が特定
(これが確認出来ないと、慰謝料請求等に差し支える場合があります。)
・ 前記のような各状況の後ろ姿のみを撮影出来た場合
・ 前記のような各状況が撮影出来た場合、成功報酬が発生するのは1回につきなのか

まとめ

ここまで解説したとおり、探偵業者も利益追求をしている以上、依頼者にとって大幅にお得な料金プランというものは存在しません。もし、大変お得にみえる場合、そこには何かしらの理由があるはずです。
探偵業者側の事情を知ったうえで、適正な費用で浮気調査の依頼をして頂ければと思います。

おおまかですが、
・ 調査員1名1時間15,000円以上の探偵業者なら、最短調査時間の設定や車両関係費等を含んでいることが多く、日時を絞り込んでの調査には向いている
・ 調査員1名1時間10,000円前後の探偵業者なら、最短調査時間の設定や車両関係費等は別であることが多いが、長期間又は複数回の調査をする場合には割安になる
・ 調査員1名1時間5,000円以下の探偵業者なら、最短調査時間の設定や車両関係費の他にも様々な費用や条件が付くことが多く、結果的に総額が上がってしまうことがある
傾向がみられ、
・ 実費経費を請求しない探偵業者の中には、サボリや調査員の水増しを隠す為の場合もある
・ 成功報酬制の探偵業者を選択すれば、優良業者に時間料金制で依頼するよりは割高になる可能性が高いが、悪質探偵業者に騙されるリスクは減らせる(ただし、成功報酬が発生する定義によっては、無意味な結果に対して費用がかかってしまうリスクもある)
といったところでしょうか。

これらを知ったうえで、皆さんが適正価格で契約し、必要な結果が出ることを願っています。

※本コラムにおいて当事務所の取扱い事例を紹介している場合は、事実を脚色することなく記載していますが、当事者の特定等を避ける為、調査事実を歪曲しない範囲で設定(関係者の職業や道路、建物の位置関係等)を変更しています。また、掲載にあたり、必要に応じて依頼者の承諾を得ています。