前回の調査で、対象者である夫が車をファミリーレストランの駐車場に放置して出かけていたことまでは分かった。そのファミリーレストランの近場へ徒歩で行った可能性もあるが、駐車場へ戻ってきた際の状況からすると接触者に車で送ってきてもらった可能性も充分に考えられた。次の調査でどこまで調査を進展させることができるか。
次回の調査日時の決定
依頼者である奥様から連絡が入った。
奥様は、来週火曜日が夜勤なのだが、その夜は夫も友人に会いに行くということで、子供を近くの実家に預けると言っているらしい。まさか自宅に女を連れ込むことはないだろうが、奥様の夜勤の時間帯に予定を入れているのも少し気になるし、調査をして欲しいとのことであった。
当然、車は夫が使いたいということで、奥様の病院への送迎は夫がするらしい。
今回は調査日時を前もって決定できるので調査員を複数にすることも容易であるが、GPSが付いているし、奥様としては多少失敗するリスクが高くなることを承知のうえで、調査員は私1名のみということになった。
GPSに頼り切りになるつもりはないが、確かに浮気相手が不明なだけでなく、そもそも浮気をしているという確証すらもない現時点では、無駄な調査費用を省くことの方が重要である。
奥様の火曜日の夜勤は夜8時からである。自宅を午後7時ころ出て、勤務先には7時30分頃に到着予定である。
夫が奥様を送った後、そのまま女と逢う可能性もあることから、調査開始時刻を午後7時30分、調査開始場所を奥様の勤務先病院と決定した。
私は実際には午後7時30分前には現場に到着する予定であるが、奥様も、当日は病院への到着時刻が午後7時30分以降になるように調整して、病院に近づいたらLINEで連絡もくださるとのことであった。
火曜日の病院での張込み開始
私は午後7時過ぎには奥様の勤務先病院付近に到着した。職員通用口の目の前は張込み難いので、地理的に考え、奥様を送り届けた後に夫が車で必ず通るルート上にて張込みを開始した。張込みといっても、奥様が出勤するまでは単なる待機なので気楽だ。
午後7時30分丁度、奥様から私宛に「あと2分位で病院に着きます。よろしくお願いします。」とLINEが入った。私も「承知しました。通用口前から更に道路を進んだ先にて張込んでいますので、ご安心ください。」と返信し、対象車両であるミニバンが通り過ぎるのを待った。
午後7時33分、私が乗る調査用車両の真横を対象車両であるミニバンが通り過ぎたので、車両尾行を開始した。GPSが付いているとはいえ、それに頼って距離を遠ざけてしまえば、対象車両に誰かが乗り込んだ場合等、結局貴重なシャッターチャンスを逃すことになる。
又も江戸川区内へ
午後8時過ぎ、夫が運転するミニバンは江戸川区内の前回とは別のファミリーレストランの駐車場に入った。しかし、夫は車から降りてこない。待ち合わせだろうか。
20分後、夫が一人でミニバンから降り、ファミリーレストランの店内へ入った。夕飯時のピークは過ぎているものの、まだ店内は混んでいるだろう。私は10分程の時間をおいて、カバンに入れた隠しカメラの動画を録画状態にしてから店内に入った。
女現れる
後ろ姿の夫がいた。その向かいには真っ赤なカーディガンを着用した女が座っており、楽し気に会話をしている。
残念ながら、二人の様子を撮影できる位置のテーブルは全て埋まっている。仕方ないので一度駐車場に戻った。
女が徒歩で入ってきたのか車でやってきたのかは分からない。とりあえず、この駐車場に停まっている車両とそのナンバーを全て撮影しておく。前回の調査時に一応不審車両の可能性としていた紺色の小型SUVも1台停まっているが、何せ量産車なので同一かどうかは分からない。
暫らくはファミリーレストランの出入口を動画撮影したままの張込み体制に移行しよう。
※本コラムにおいて当事務所の取扱い事例を紹介している場合は、事実を脚色することなく記載していますが、当事者の特定等を避ける為、調査事実を歪曲しない範囲で設定(関係者の職業や道路、建物の位置関係等)を変更しています。また、掲載にあたり、必要に応じて依頼者の承諾を得ています。