浮気調査コラム

喫茶店店長浮気調査①(全4回)

今回は30歳代男の浮気調査である。依頼者はその男の妻(40代)、浮気相手の女は夫が店長を務める喫茶店の従業員の30歳代であり、既に店を辞めている妻の元同僚でもある。
依頼者が結婚する前から、浮気相手の女が夫にアタックしていたことは知っていたが、夫もメンヘラの気があるその女とは付き合えないと思っていたようであり、依頼者と結婚した。

疑いのきっかけ

依頼者である妻が夫の浮気を疑ったのは、21時閉店の喫茶店にも関わらず、いつも帰宅が深夜1時前後であり、いくら残務処理があったとしても遅すぎることに加えて、そのメンヘラ女が、いまだに夫の部下であることを知っていたからである。

依頼者は、そのメンヘラ女とは特に親しいわけではなく、氏名は知っているものの詳しい住所も知らない。しかし、メンヘラ女の体型や顔が夫の好みであることは分かっていたので、本気にはならないであろうが浮気ならばあり得るのではないかと思い、当事務所に相談に至ったのである。

夫の尾行

調査は、夫の職場である喫茶店を閉店時刻の午後9時から張込むところから始めた。ほどなくして、夫が従業員らしき男女2名と出てきた。我々は依頼者から提供されている写真を確認し、対象者である夫に間違いないことを確認した。
店の前で同僚らしき男女は駅方向へ歩き去り、夫は駅とは反対方向へ歩き始めた。直ぐに私が車を降り徒歩尾行を始めると、もう1名の調査員も後ろから距離をとりながらトロトロと車で付いてきた。
3分程歩いたところで、夫は付近の月極駐車場に停まっていたSUVに乗車したので、私たちも車両尾行を開始した。10分程走行した後、自宅とは別方向へ曲がった。この道の先には買い物や食事に立寄れるような施設はないはずである。どこで、女と合流するかも分からないので、我々調査員も映像を撮り損ねないように充分注意する。

マンションへ

午後9時40分、5階建てマンションの脇道に車が停まった。夫は車を路上駐車したまま、そのマンションのオートロックのインターホンを鳴らし、直ぐに開いたドアから中へ入っていった。オートロックか否かに限らず、基本的に我々調査員が尾行の為にマンション共用部分に進入(侵入)することは出来ないが、夫が乗ったエレベーターを外から見ることは出来る位置関係であった。エレベーターの階数表示を外から窺がっていると、3階で停まった。エレベーターには夫しか乗っていなかったし、エレベーターも3階から動かないままであったので、夫が3階で降りたことは間違いないであろう。建物の裏へ回ってみたところ、ベランダが各フロア均等間隔に6部屋分あり、4部屋には電灯が確認できるが、夫の入った部屋を特定することはできない。

張込み

ここからは張込み体制となるが、丁度、夫が駐車した車と3階のベランダ側の両方を確認できる位置に調査用車両を停めることが出来る位置関係であったので、私と一緒に動いていたA調査員には車の中で張込みながら夫の車と3階のベランダを監視するよう指示した。灯りが点いている部屋は全てカーテンがかかっており、その中の様子を知ることはできないが、相談時に依頼者から得ている情報では、夫は愛煙家である。女が禁煙者であれば、このご時世、夫が煙草を我慢することは考えられるであろうが、浮気相手の部屋である。性行為をしに来ている可能性は極めて高い。そして、喫煙者、特に愛煙家にとって性行為直後の喫煙は、性行為の後戯と言える程に至福のひと時であることは言うまでもない。ということは、性行為の後に、煙草を吸うためにベランダに出てくる可能性は十分に考えられ、その瞬間を撮影できれば重要な浮気の証拠となるとともに部屋の位置も特定できるのである。

一方、私はマンションの正面玄関を立ったまま張込むこととした。本音をいえば、私が車で張り込みたい。しかし、マネージメントの観点から、上に立つ者こと辛い現場を率先して選択するのが私のやり方である。これが真冬であったら最悪だが、この日は立張りでも苦にならない気候であった。とはいえ、一晩中立ちっ放しは勘弁である。対象者である夫が早く出てくることを祈るのみ。出来れば、女が見送りにでも出てきてくれれば調査的にも成果があるのでありがたいが、そう上手くいくわけもない。

帰路へ

日付が変わって直ぐの午前0時25分、正面から夫が一人で出てきた。直ぐに脇道に停めたままのSUVに乗ったので、私もA調査員が待っている車に乗り込み、夫の尾行体制に入る。こちら側で張り込んでいたA調査員に確認したが、夫がどの部屋にいたのか確認出来なかったとのこと。夫がマンションに入ったのが午後9時40分過ぎ、出てくるまで2時間半ちょっと、普通に考えれば不貞行為があったであろう。元ヘビースモーカーの私としては、どうしても夫の喫煙が気になって仕方ない。恐らく、2時間半も浮気相手の部屋に居れば、不貞行為があったはずである。であれば、終わった後に必ず煙草を吸いたいはずである。が、ベランダには出てきていない(A調査員は、ベテランで責任感が強いタイプであるから、見落とす可能性は皆無である。)、ということは、このメンヘラ女の部屋は喫煙可能なのか、女も喫煙者なのだろうかと推測する(ほとんど浮気調査的視点において無意味な推測である。)。
そんなことを考えながら、我々は夫の車を一応尾行したところ、10分もかからずに帰宅した。
本日の成果は、浮気相手と思われる女の住居マンションが判明したものの、部屋番号の特定には至らず終わった。
1日で完結出来る程簡単なことではない。次の機会に改めることとして、この日の調査を終えた。

次回、喫茶店店長浮気調査②に続く
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※本コラムにおいて当事務所の取扱い事例を紹介している場合は、事実を脚色することなく記載していますが、当事者の特定等を避ける為、調査事実を歪曲しない範囲で設定(関係者の職業や道路、建物の位置関係等)を変更しています。また、掲載にあたり、必要に応じて依頼者の承諾を得ています。