浮気調査コラム

美人若妻浮気調査②(全2回)

1時間足らずの19時50分、接触者の男が会計を始めている。随分と早い会計であるが、ラブホテルにでも行くならむしろこれからが本番、中年の男としては飲み過ぎ禁物。私は、対象者達が会計を終えて立ち上がる前に、トイレに行くふりをして一人で先に店を出た。勿論、私達の会計は対象者達が出た後、店に残っているA調査員がする。

前回のコラム美人若妻浮気調査①の続き

二人は繁華街へ

路上で待っていると、2分程で対象者達二人が出てきた。この接触者の中年男、本当にうかれた表情をしている。無理もない、ただ若いだけでなく、これだけの美人を連れて歩いているのだから。
やがて二人は、上野公園の入口を通り過ぎ、不忍池沿いの暗い歩道を歩いている。この先を曲がれば少しさびれてはいるがラブホテルもあるし、更にその先には湯島のラブホテル街へ通じる道もある。
と、その途中の横断歩道を渡り、繁華街である仲町通り方向へ進み始めた。この繁華街の中にもラブホテルはいくつか在る。が、あれ、これは違うぞ。
そう、二人が入ったのはラブホテルではなくキャバクラだった。

依頼者への報告

依頼者である夫に連絡をとり、現在までの状況を説明した。夫は、「ああ、いえ、何となくそんな気もしていたんですよ。」と、しかし、浮気よりは全然マシという感じであった。
そして、この後の調査方針については、キャバクラ店内には入らず、帰宅までの行動を引続き見て欲しいとのことであった。私が店内に入って写真指名でもすれば、源氏名や出勤日、帰宅時刻等を聴くことも簡単ではあるが、まだ20時過ぎ、しかも私は生ビールを1杯しか飲んでおらず、一見客として潜入するには若干不自然であることに加え、経費が高額になることもあり、依頼者である夫も今日はそこまでしなくて構わないという意見であった。

ほろ酔いで出てきた二人へ

23時40分、二人が出てきた。二人とも足取りはしっかりしているが、かなりご機嫌である。このままアフターにでも行くのか、それともこれからホテルということもあり得る。対象者がある程度以上酔っていると、我々探偵としては嬉しい。尾行や張込みに気付かれる可能性が低くなるからである。ただし、酔ったことにより野性的本能のようなものが覚醒して、逆に勘が鋭くなる者がたまにいるので、油断は禁物であるが。

気合を入れて尾行を始めて直ぐ、上野の中央通りに出た所で、接触者の男はタクシーに乗った。美人妻はその男を見送る。男がしつこく女を誘う素振りもなく、恐らく客とホステスの関係としてはそれなりに信頼関係が構築されているように見える。
この状況であれば、タクシーに乗った接触者の男を尾行する必要はなさそうである。私は再び一人で美人妻を尾行したところ、上野駅ではなく御徒町駅まで歩いてきた。上野の繁華街である仲町通りからは、御徒町駅の方が近いのである。

そして電車に乗り、夕方来たルートをそのまま戻り、日付が変わった午前0時30分過ぎに、自宅最寄り駅前の駐車場に停まったままの車に乗り込んだ。高速道路をすっ飛ばして既にこの駐車場に戻ってきていたA調査員と一緒に、車両尾行の準備体制に入る。

美人妻の車に近づく新たな男

このまま運転をすれば飲酒運転であるが、なかなか発車しない。車の中で寝ているのか。いや、スマホの灯りで美人妻の顔が薄っすら照らされている。
依頼者である夫に、この状況を連絡しようとした時、美人妻の車の運転席に近づいてくる男に気が付いた。まさか、今から浮気か。暗くて男の顔がうまく映らないが、私も息を潜めて動画を撮影する。美人妻は直ぐに運転席を降り助手席に移り、その男が運転席に乗り込み車は直ぐに発進した。駐車場を出ると、自宅方向へ走り出したが、直ぐ後ろにもう一台、運転代行の車が走っている。飲酒運転の取締が厳しい昨今、当然のことではあるのだが、美人妻が真面目な人で良かった。
10分程で自宅に到着し、美人妻は無事帰宅した。

この結果に依頼者である夫は満足し、キャバクラのことは知らなかったことにして、このまま様子を見るとのこと。
こうして、本件浮気調査は久しぶりの“白”ということで幕引きとなった。

※本コラムにおいて当事務所の取扱い事例を紹介している場合は、事実を脚色することなく記載していますが、当事者の特定等を避ける為、調査事実を歪曲しない範囲で設定(関係者の職業や道路、建物の位置関係等)を変更しています。また、掲載にあたり、必要に応じて依頼者の承諾を得ています。